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新聞やテレビなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2012年版・電通資料ベース)




先に【電通資料を基に過去20余年の媒体別広告費の移り変わりをグラフ化してみる(2012年分反映版)】でお伝えしたように、電通(4324)は2013年2月23日、日本の広告費に関する調査報告書を発表した。それによると、電通推定による2012年の日本の総広告費は前年比3.2%増の5兆8913億円で有ることが明らかにされた。世界同時金円融危機・不況で減少した2008年以降、リーマンショック、さらに昨年は東日本大地震・震災の影響を受けて続いていた前年比マイナスの継続から転じ、2012年は5年ぶりに前年比プラスの値を計上することとなった。今報告書では広告業界に関する多種多様なレポート・データもあわせて掲載されており、業界の動向を知るのにはよい資料と評することが出来る。そこで今回は同資料を用い、【新聞やTVなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2011年版・電通資料ベース)】を更新する形で、いわゆる4大既存メディア(4マス)こと「TV」「雑誌」「新聞」「ラジオ」における、業種別広告費の前年比をグラフ化してみることにした。各業種における、主要媒体に対するアプロフェッショナルーチの異変をかいま見れるだろう(【発表リリース、PDF】)。
2012年における媒体別広告費前年比は次の通り。2011年が震災で大きく減らしていたこともあり、ほとんどの項目で前年比プラスを示している。


↑ 2012年媒体別広告費前年比(再録)
さて今資料では広告出稿元を20の業種に区分し、「TV」「雑誌」「新聞」「ラジオ」それぞれに対する出稿広告費、各メディアへの出稿額に対する構成比、前年比の一覧が掲載されている。これをグラフ化したのが次の図。まずは「新聞」。


↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2012年、前年比)(新聞)
「家電・AV機器」と「金円融・保険」が大きく下げている。しかしそれ以外は下げ幅は小幅、有るいは少なからぬ上げ幅を示している。「官公庁・団体」の項目が上げているのは年末の選挙周りも多分に有るのだろう。

続いて「雑誌」。


↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2012年、前年比)(雑誌)
「新聞」と同じ紙媒体では有るが、比べるとあまり覇気が無い。これでも2011年と比べればまだ良い方だが(全体がプラス0.4%)、「薬品・医療用品」「飲料・嗜好品」以外はいまいちパッとすることは無い。特に「エネルギー・素材・機械」は2011年の時点でマイナス26.9%の値を示していたのに、そこからさらにマイナス24.1%。部分的の雑誌でインフラ、特にエネルギー周りをバッシングする動きが有るが、それが影響している可能性は有る。

次は「ラジオ」。


↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2012年、前年比)(ラジオ)
起伏が激しいのはいつものことだが、2012年は「精密機器・事務用品」の上げ幅が著しい。同項目が前年マイナス23.9%を示していたのも一因だが、それを考慮してもあまりにも大きい。品目詳細は「時計、カメラ・デジタルカメラなど光学機器、複写機、事務用品、文房具など」と有るが、何らかの商品の大量広告出稿があったのだろう(よりも2010年もマイナス4割超を記録しているので、単なる反動を超えたものでは無いとも予想される)。一方「官公庁・団体」の値が大きく減っているのは、次の「TV」同様、震災後の大量出稿の反動によるもの。

最後に「TV」。


↑ 4大既存メディアにおける業種別広告費(2012年、前年比)(TV)
他のメディアと異なり、プラスにせよマイナスにせよ、振れ幅が大きい。これは以前からの傾向。「自動車・関連品」は大きく突き抜けているが、昨年の値はプラス2.2%だったことから、反動云々という説明は成り立た無い。簡単に同業界の景気回復によるものと予想される(ほぼ毎月報告している、関東民放TVでのCM放送回数の動向、最新記事は【関東民放TVでのCM放送回数の上位企業をグラフ化してみる(2012年12月分)】でも、明瞭に自動車企業のCMへの復活が確認できている)。

他方「官公庁・団体」「案内・その他」の値は大きなマイナス。これは2011年において各項目がイレギュラー的な上昇を示していたため、その反動によるもの。リリースでも「官公庁・団体」では「震災後の大量出稿の反動減が大きい」、「案内・その他」では「企業グループ、映画・演劇の案内などが減少」とあり、震災特需的なものの反動と予想される。ただし後者は2011年の上げ幅の割には2012年の下げ幅が大きく、震災反動以外の純粋な(業界内の不景気さから来る、有るいはTVへの傾注を減らした結果としての)出稿減少の部分も多分に有る。

そして昨年同様、電力企業関連の「エネルギー・素材・機械部門」が大きく下げている。元々同業界が苦境に追いやられており広告費削減を余儀なくされているのが一因だが、「雑誌」同様、多分に同業界へのバッシングが影響しているとしても不思議では無い。


今回のグラフは、「各媒体に対する」「個々の業種別の」「広告費の前年比」。同じ「10%のマイナス」でも、その業種の広告費そのものの額面が違えば、各媒体に与える金円額面での動きは異なる。例えば「年間1000億円の業種」が「10%増えた」のならその額は100億円のプラスとなるが、「年間10億円の業種」が同じように「10%増えた」としても、額の上での増加分は1億円にしかなら無い。個々の業種の変移は重要だが、各媒体全体に対する金円額の変移も合わせて推し量るべき案件では有る。

そこで参考値として、「前年比の比率」に「2012年における金円額上の構成比」を乗じ、年間変移における影響度を算出したのが次のグラフ。値が大きい程度、その業種の広告費に対して大きな影響を与えたことになる。


↑ 業種別・2011年~2012年の広告費変移が与えた影響度(前年比×2012年の構成比)
前述したように自動車業界の復興を受けてCMが増え、「TV」に大きなインパクトが生じている。また前年比ではあまり目立たなかった「情報・通信」でやはりTVが大きくプラスを見せている。この項目の詳細を見ると「コンピュータ・関連品、コンピュータソフト、携帯電話機、携帯情報端末、電話サーヴィス、通信サーヴィス・インターネット、WEBコンテンツ、モバイルコンテンツ、放送など」とあり、やはり月次のTVCM出稿量記事ではお馴染みの、携帯コンテンツや携帯電話本体によるCMが、TV局には福音となっていることが見て取れる。その「情報・通信」は「雑誌」では大きく広告費が減っている。相性の点で「TV:良し」「雑誌:難儀」という判断が取られたのかもしれ無い。

震災の特需的な出稿の反動は各メディアに出ているが、個々のメディアが受ける影響力の大きさでは、「ラジオ」がずば抜けている。他方その「ラジオ」で大きくプラスを示す項目は無く、4マスで唯一前年比総合値がマイナスを示したのも理解は出来る。

また、項目単位では大きな異変を見せた「エネルギー・素材・機械部門」だが、媒体全体としては大した影響を与えてい無い。広告出稿側と配信側の力関係、配信側の報通り道姿勢の挙動も「それとなく」すけて見えてきそうでは有る。


■関連記事:
【電通資料を基に過去20余年の媒体別広告費の移り変わりをグラフ化してみる(2012年分反映版)】
【新聞やTVなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2011年版・電通資料ベース)】 すべてのトピックスをみる - livedoor トップページ
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